噂の「スケルトンリフォーム」 本当に入居者が増えるのか?
「スケルトンリフォーム」という言葉をご存じでしょうか? 「スケルトン」とは“骨組み”という意味で、床や壁、天井などを取っ払って、間取りをゼロから作り直すフルリフォームのことを言います。通常の修繕作業では難しい水回りの変更も可能になり、耐震補強や断熱の対策ができるのも、スケルトンリフォームのメリットといえます。
また、入居者は新築同様の部屋に住むことができるため、人気物件として生まれ変わらせることが可能になります。長期間に渡って入居してくれるようになるため、間取りが古い物件や、建物自体の構造が古い物件には、スケルトンリフォームがお勧めです。
他にも、建て替えと比べて予算が3分の1から3分の2程度で収まるのも、魅力のひとつと言えます。
湿気と地震が多い日本では、建物の寿命は決して長くはありません。住まいのトレンドの変化が早い昨今では、思い切ってスケルトンリフォームでフルリフォームをかけたほうが、入居者をV字回復させる策としては正しいと言えます。
一方で、スケルトンリフォームにはデメリットがあることも理解しておかなければいけません。
ひとつ目のデメリットは、部分リフォームよりもお金がかかる点です。先述した通り、スケルトンリフォームは建て替えよりも安く済む場合もありますが、柱や梁、基礎が細部まで分かるため、想定していなかった住宅の問題点も浮き彫りにしてしまいます。修繕内容によっては、建て替えよりも高くついてしまう事例も少なくありません。
また、工事期間が長い点も考慮しなくてはいけません。その期間は家賃収入が得られないことから、今後のキャッシュフローに影響が出る可能性があります。スケルトンリフォームでコストをかけた分、家賃も上げなくてはいけないため、周囲の物件相場が安ければ、入居者がすぐに埋まらないことも予想されます。
しかし、それらのデメリットを差し引いても、スケルトンリフォームには、「入居後のトラブルが発生しにくい」という最大のメリットがあります。
大規模修繕をする事業者側の立場からすれば、古い物件の見えないところのトラブルが、最も手に負えない事案になります。部分リフォームでは見つけることができない欠陥も多々あり、その問題点がスケルトンリフォームによって修繕できることは、より安心できる物件を大家さんと入居者に提供できることにつながります。
私たち事業者の本音としては、予算が高くついたとしても、古い物件はスケルトンリフォームしたほうがメリットは大きいです。建物の構造や立地によっては、スケルトンリフォームができないケースもありますので、一度、ご相談いただければ、現地に調査に伺わせて頂きます。