できるだけ少ない投資で 入居者を倍増させる方法
全国賃貸住宅新聞が毎年行っている『2021年入居者に人気の設備ランキング』によると、相場より高い家賃でも入居したい設備は『インターネット無料』と『エントランスのオートロック』と『宅配ボックス』の3つだそうです。
コロナでネットの利用者とオンラインで買い物をする人が増えたため、インターネット回線と宅配ボックスの設置は、これからのアパートとマンションには必須の設備になりました。
しかし、最近では『インターネット無料』という触れ込みだけでは、入居者を増やすことが難しくなってきています。テレワークやゲームなど以前よりも頻繁に利用する人が増えたため『高速インターネット』を望む声が多くなっています。裏を返せば、『高速インターネット無料』を掲げたマンションやアパートにすれば、他の物件との差別化になり、入居者をより多く集められることにつながります。大きな工事が不要のため、少ない予算で手っ取り早く入居者を増やせる施策のひとつと言えるでしょう。
『宅配ボックス』の設置も低予算で入居者を増やす方法として大家さんに人気です。相場は1ボックスあたり4~5万円と言われており、仮にアパート4部屋の場合、工事費が約10万円で、25万円前後の投資で宅配ボックスの設置が可能です。
電気を不要とするダイヤル式の機械式や、タッチパネルやカードキーを使う電気式など、宅配ボックスの種類も様々です。
三つ目の低予算で入居者を増やす施策として人気なのは、『24時間対応のゴミ置き場』の設置です。いわき市は工場勤務の人が比較的多く、生活スタイルがまちまちのため、24時間、好きな時にゴミが捨てられる物件は人気です。
ゴミ置き場は見た目が汚いと散らかす人が増えるため、ゴミストッカーを金属製にして、中身が見えないようにしたほうがいいと思います。可燃、不燃、ビン、缶等、分別するスペースを作ることで、住人たちが人の目がつかないところでも、ゴミ置き場をきれいに使う習慣を自然に身に付けられるようになります。
24時間対応のゴミ置き場を設置すると、相場よりも家賃が2500円~3500円上げられると言われています。低予算の投資で物件の収益性を高める修繕策としてお勧めです。
一方、入居者のアンケートで上位に入っている『エントランスのオートロック』は、設置費にコストがかかる割には、入居者を増やす施策にはなりにくいと言われています。おそらくエントランスのオートロックを望む人の大半が女性のため、約半数を占める男性には、あまり魅力的な設備にはならないのでしょう。
トレンドだからとって闇雲に設備投資をするのではなく、いかに少ない投資で入居者を増やしていくのか、大家さんは5年、10年先を見据えて物件を管理運営していかなくてはいけません。